ソムリエのコメント

＜＜産地＞＞ 日本のワイン産地は、気候や土壌が多様で、特に山梨県や長野県が有名です。綾ブランが位置する地域は、昼夜の温度差が大きく、ブドウ栽培に適した環境が整っています。土壌は火山性土壌や粘土質が多く、ブドウに豊かなミネラル感を与えます。日本のワインは、特に品質が向上しており、国際的にも評価されるようになっています。 ＜＜生産者＞＞ 綾ブランは、香月ワインズが手掛けるワイナリーで、自然との調和を重視したワイン造りが特徴です。創業者は、長年のワイン愛好家であり、フランスでの修行を経て日本に戻り、地元のブドウを使ったワイン造りを始めました。彼は、ブドウの特性を最大限に引き出すための手法を追求し、特に野生酵母を使用した発酵にこだわっています。彼の哲学は、ブドウ本来の味わいを尊重することで、土地の個性を表現することにあります。綾ブランは、テロワールを大切にし、持続可能な農業を実践することで、品質の高いワインを生産しています。 ＜＜使用するブドウ品種＞＞ 綾ブラン 香月ワインズ 2020は、シャルドネを95%使用し、ジーガレーベとシルヴァネールがそれぞれ2%ずつ加わっています。シャルドネは、世界中で人気のある白ワイン用ブドウで、特にフルーティな香りと酸味のバランスが魅力です。ジーガレーベは、アロマティックな特性を持ち、シルヴァネールは、独特の風味を加える役割を果たします。これらのブドウの組み合わせにより、複雑で豊かな味わいが生まれています。 ＜＜製造法やワインの逸話＞＞ このワインは、全てのブドウを除梗し、バスケットプレスで丁寧に圧搾されます。発酵は野生酵母を用いて低温で約3週間行われ、特定の品種ごとに個別のタンクで発酵させる新たなアプローチが試みられました。これにより、各品種の特徴が明確になり、最終的なブレンドが行われます。この製法は、従来の混醸法とは異なり、より精緻な味わいを実現するための工夫が凝らされています。 ＜＜味や香り＞＞ 綾ブラン 香月ワインズ 2020は、黄金色がかったイエローで、完熟した洋ナシやアプリコット、プラムの香りが広がります。時間が経つにつれて、花を思わせるフローラルな香りも感じられます。味わいは、香りとは裏腹にシナモンやナツメグを思わせるスパイシーで、きりっとした辛口に仕上がっています。程よい酸味と滑らかな渋みのバランスが心地良く、ドライな余韻が長く続きます。 ＜＜ペアリング＞＞ このワインは、シーフードや鶏肉料理、特にクリームソースを使った料理との相性が良いです。また、熟成したチーズや軽い前菜とも楽しむことができます。スパイシーな料理とも良い相性を示し、さまざまな料理と合わせることで、ワインの魅力を引き立てることができます。